アーレン症候群などまぶしさを感じる方に
アーレン症候群とは?
光に対する感覚過敏のため、まぶしさを感じて、文字を読んだり、書いたりすることが困難な方々が少なからずいます。「アーレン症候群」と呼ばれ、欧米では22~38%[1]、日本では6%[2]の方がこのような症状を持つと推定されています。
アーレン症候群の方は、本を読んだり、ノートに文字を書くだけで、極端に疲労したり、頭痛や吐き気などの身体症状が生じることがあり、子どもの学習障害の原因のひとつとしても最近注目されています。以下[3]に示すように、字がぼやけて見える、文字が回転して見える、文字が揺れて見えるなど、その症状はさまざまです。

アーレン症候群は、特定の波長帯の光に過敏に反応していることが原因のひとつと考えられており、色のついたレンズの眼鏡をかけることで症状が改善することが知られています。また、症状が改善するレンズの色と色の濃さは、人によって異なることが知られています。
このレンズの選択は、事前に用意した色レンズの組み合わせを試行錯誤する方法が採られています。しかしながら、この方法は時間がかかる上、既定の色レンズの組み合わせのため、定量性に欠けるという問題がありました。
測定に時間がかかるとアーレン症候群の症状をもつ子どもにとっては大きな負担になります。また、測定自体を誰もが実施できるわけではなく、資格を持った人や訓練をした人でないとできず、広く普及することが難しいという問題もありました。
アーレン症候群などまぶしさを感じる方に
IRISHUEは、個々人の明るさの感受性を含む色覚特性を定量的に測定できる世界初のシステムであり、アーレン症候群の方の明るさの感受性を含む色覚特性も測定することができます。
測定は、特許取得済・出願中[4]の測定手法・測定装置・測定用レンズにより、短時間で実施することができます。また、革新的かつシンプルな計測手法であるため、マニュアルに従うだけで、誰でも計測可能です。定量的に測定した結果に基づき、R(赤)G(緑)B(青)各領域の透過率を調整した最適な補正レンズ[5]をアーレン症候群の方にご用意できます。
照明やスマホのバックライト、車のヘッドライトなどにLEDが使われるようになったため、アーレン症候群でなくても、日常生活のなかで、まぶしさや目の疲れを感じる方が増えています。IRISHUEでは、一般的なブルーライトカットレンズとは異なり、個々人の明るさの感受性を含む色覚特性を定量的に測定することで、ジャストフィットするレンズ[5]をご用意できます。
[1] 白色人種の方の場合の割合。Wilkins A. J., Jeanes R. J., Pumfrey P. D. & Laskier M.(1996) Rate of Reading Test: its reliability, and its validity in the assessment of the effect of coloured overlays. Opthal. Opt. 14, 365-370
[2] 川端智世・村瀬忍・熊谷恵子・池谷尚剛(2011) 読み書き障害のない日本人大学生の音読課題における色フィルムの効果- LD研究, 20, 130-136
[3] 「アーレンシンドローム」(熊谷恵子・著、2018)を参考に作成
[4] 特許第6440054号。米国、欧州特許出願中(PCT/JP2017/024643)。特許出願中(特願2020-028739)
[5] 大手レンズメーカーの協力を得て、度付きに対応した補正レンズを開発中
